昨日、洛和会音羽病院の中島陽大先生をお迎えし、Sluggish Cognitive Tempo(SCT)の子どもたちについてお話ししていただきました。
SCTは従来の発達障害の枠に入りきらない注意欠陥症状から新たに注目されてきたカテゴリーだそうです。SCTとインターネットで調べても、Sluggish Cognitive Tempoのことを説明するサイトや文献が出てこないのですが、日本ではまだほとんど手を付けられていない新しい研究分野だということで、大変貴重なお話を聞かせていただきました。
例えば、不注意が目立つということで検査を行ったもののADHDの診断が下りず、さらに調べるとSCTであったというケースがあるそうです。ADHDの場合、気が散るような形で注意散漫になりがちであるのに対し、SCTの場合はぼーっとするという形の不注意になるということでした。また、睡眠の形にも特徴があるということです。SCTは今後CDS(Cognitive Disengagement Syndrome)と呼び変えていかれるようです。
学校が不登校の対応を行う際にまず原因を突き止めようとすることが多いですが、このSCTのようにまだ一般に知られていなかったり、あるいは解明されていない原因もあると思います。そういったことも念頭に置いて不登校の対応を考えていくことが大切ではないかと思い、このような勉強会を開催させていただきました。
学校教職員や民間の支援団体の方などが参加してくださり、子どもの支援を行う方々のつながりのきっかけともなりました。どの方からも「またぜひこのような機会を持ってほしい」とおっしゃっていただきましたので、前向きに検討していきたいと思っております。
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